はじめに
朝目覚めて、仕事して、帰宅して、風呂に入って、寝る。そしてまた朝が来る。
この繰り返しの中で、ふと思った。「これが社会の歯車になるということなのか」と。
私は元自衛官。ラッパの音で起き、命令された仕事をこなし、また次の日も同じ。陸曹になっても、日々のサイクルは変わらなかった。確かにやりがいはあった。何でもできるし、人海戦術で仕事を終わらせることもできた。
しかし、民間企業に就職して気づいたことがある。毎年何人も新しい人が入ってくることが、実は異常なことだったのだと。小さな田舎の会社では、人海戦術は夢のまた夢。給料は上がらず、人手不足で一人ひとりの負担は増える一方だ。
そんな中、副業を始めようと思った理由。それは単純に「将来への不安」からだった。
1. 将来の不安
現代社会の理不尽さ
物価は上がり続け、給料は据え置き。この状況に違和感を感じない人がいるのだろうか。
田舎で暮らしていると、車は生活の必需品だ。しかし、政府はガソリンの補助金を外すと言う。彼らは公共交通機関が整備された都会に住んでいるから、その痛みがわからないのだろう。年収も私の何十倍も稼いでいるくせに、「税金上げます」なんて言うのは、笑ってしまうほど理不尽だ。
どこかのサイトで見た情報によると、日本の国会議員の平均年収は3900万円、アメリカの議員は平均2000万円だという。一般庶民の私たちとはあまりに差がありすぎる。時に「生きるのが馬鹿らしい」とさえ思うことがある。
自衛官時代の教え
そんな思いに浸っていたとき、ふと自衛官時代の上官の言葉を思い出した。
「動かなきゃ、前に進まなきゃ」
そうだ、愚痴を言っていても何も始まらない。では、何をすればいいのか。私にできることは何なのか。情報を集め、自分の強みを見つめ直すことから始めた。
経済的自立への一歩
老後の不安は誰もが抱えるものだ。年金だけでは生活できないかもしれない。今から副収入の道を作っておけば、将来の選択肢が増える。たとえ大きな収入にならなくても、少しでも生活を楽にしたい。そのために行動を起こすことにした。
2. 社会の歯車からの脱却
自衛官時代の日常
自衛官だった頃、毎日の生活はまるで決められたレールの上を走るようだった。ラッパの音で起き、与えられた仕事をこなし、また次の日も同じことの繰り返し。陸士の時代は陸曹の下で言われた通りに動き、陸曹になっても固定の業務をこなすだけ。
確かに組織としての強みはあった。何でもできるし、人海戦術で難しい任務も乗り越えられた。しかし、個人としての成長や自己実現という観点では、物足りなさを感じていた。
民間企業での気づき
自衛隊を退職し、民間企業に就職してみると、新たな現実に直面した。大手企業ならともかく、地方の小さな会社では人材確保が難しい。その結果、一人あたりの業務負担は増え続け、給料は上がらない。
「このままでいいのだろうか」という疑問が頭をよぎるようになった。会社に依存した生き方では、将来の安定は保証されない。自分の人生は自分で切り開く必要がある。そう思い始めたのが、副業を考えるきっかけだった。
自分の時間を取り戻す
会社員生活だけでは、自分の時間はどんどん奪われていく。朝から晩まで会社のために働き、帰宅後はただ疲れを癒すだけ。週末も疲労回復に費やし、気づけば月曜日がやってくる。
この繰り返しの中で、「自分がやりたいこと」を見失ってしまっていた。副業は単なる収入源だけでなく、自分自身を取り戻す手段でもある。自分のペースで、自分の興味関心に沿った活動ができる。それは社会の歯車から一歩抜け出す第一歩なのだ。
3. スキルと知識の獲得
自己分析から始める
副業を始めようと思ったものの、最初の壁は「自分に何ができるのか」という問いだった。パソコンはできるか?ローマ字はかろうじて分かるから、入力作業ならできるだろう。しかし、それだけでは差別化できない。
まずは自分自身を客観的に分析することから始めた。趣味は何か、得意なことは何か、人より詳しいことは何か。意外なことに、この自己分析がとても難しかった。
暇な時は寝てご飯を食べてダラダラしてきた自分に、特別な才能や趣味があるだろうか。考えれば考えるほど自信がなくなっていった。
新しい挑戦への一歩
しかし、何もしなければ何も始まらない。まずはやってみよう。そう決意し、いくつかの可能性を探り始めた。
クラウドソーシングサイトでライティングの仕事を探してみた。確かに単価は安い。それに本業をこなしながらできるのか不安もあった。
YouTubeでの動画投稿も考えた。自分の好きなジャンルは何か。過去の偉人紹介なら、自分の知識を活かしながら多くの人に価値を提供できるのではないか。
さらに、楽天ROOMも始めてみることにした。普段から楽天経済圏にいる自分なら、自然に取り組めるはずだ。Twitter(現X)やInstagramのアカウントも新たに作成した。
学びの連鎖が始まる
副業を始めるための準備を進める中で、予想外の効果があった。それは「学びの連鎖」だ。
一つのことを調べると、関連する知識が必要になる。例えば、ブログを始めようとすると、文章力だけでなく、SEO対策やWordPressの使い方、画像編集の基礎なども学ぶ必要がある。YouTube配信を考えれば、動画編集や音声処理、著作権の知識も求められる。
こうして、当初の目的とは別に、新しいスキルや知識が次々と身についていく。それは単なる副収入以上の価値があった。この学びの過程自体が、人生を豊かにしてくれるのだ。
4. 多様な収入源の確保
一つの会社だけに依存することのリスク
私が副業を始めようと思った大きな理由の一つは、収入源の多様化だ。会社員として働く場合、給料は基本的に一つの会社から得るものとなる。つまり、その会社の業績や方針によって、自分の生活が大きく左右されるリスクがある。
実際、昨今の不況や企業の合理化により、突然のリストラや給与カットは珍しくない。一つの収入源に頼りすぎると、それが途絶えたとき、生活が立ち行かなくなる恐れがある。
副業を持つことで、万が一の場合にも備えられる。それは現代社会における一種の保険のようなものだ。
パッシブインカムへの憧れ
副業の形態は様々だが、特に魅力的なのが「パッシブインカム(不労所得)」の可能性だ。一度作ったコンテンツが継続的に収益を生み出す仕組みは、時間の制約から解放される夢のような存在に思えた。
ブログ記事やYouTube動画は、作成に労力がかかるものの、いったん公開すれば長期間にわたって収益を生む可能性がある。楽天ROOMやアフィリエイトも同様だ。初期投資(主に時間)の後、寝ている間も収入が発生する可能性があるのは魅力的だった。
もちろん、すぐに大きな収入になるとは思っていない。しかし、小さな流れを作り続ければ、いつか大きな流れになるかもしれない。その期待が私を動かす原動力となった。
複数の収入源がもたらす安心感
多様な収入源を持つメリットは、経済的安定性だけではない。精神的な安心感も大きい。
「この仕事がダメでも、あちらで稼げる」 「会社で評価されなくても、別の場所で認められている」
そんな複数の選択肢を持つことで、一つの場所での失敗や挫折に過度に落ち込まずにすむ。視野が広がり、人生の選択肢も増える。収入源が多様化することは、人生の多様化でもあるのだ。
5. 自己成長の場として
新しい自分との出会い
副業を始めようと決意した理由の一つに、「新しい自分を見つけたい」という思いがあった。
会社では肩書や役職に縛られ、特定の役割を演じることが求められる。しかし副業の世界では、自分自身のブランドを作り上げていく自由がある。これまで発揮できなかった才能や、眠っていた情熱を見つける機会になるかもしれない。
実際、副業の準備を始めてみると、自分でも知らなかった興味や関心が次々と湧いてきた。過去の偉人について調べるうちに歴史への造詣が深まり、商品紹介をするために写真の撮り方を学び、ブログ記事を書くために文章力を磨く。
こうした経験の一つ一つが、新しい自分との出会いであり、自己成長の糧となっていった。
挑戦する勇気の回復
社会人になってから何年も経つと、新しいことに挑戦する勇気が徐々に失われていく。安定を求めるあまり、リスクを避け、変化を恐れるようになる。
しかし副業は、比較的リスクの低い形で新しい挑戦ができる場所だ。失敗しても本業があるという安心感があるからこそ、思い切った挑戦ができる。その小さな成功体験が自信となり、さらなる挑戦への勇気を与えてくれる。
自衛官時代、私は「できない」ではなく「やるんだ」という精神で訓練に臨んできた。あの空に飛び出したとき、なんでもできると思えた瞬間があった。その感覚を取り戻したい。副業はそのための絶好の機会だった。
成長のサイクルが回り始める
副業を通じた自己成長には、良い循環がある。
新しいスキルを学ぶ → 実践で使ってみる → フィードバックを得る → さらに学びを深める
この循環が回り始めると、成長のスピードは加速する。本業だけでは得られない多様な経験と、異なる分野の知識が融合することで、独自の視点や強みが生まれていく。
それは単なる副収入を超えた、かけがえのない財産となるはずだ。
6. 物価高と経済不安への対策
生活コストの上昇
近年の物価高は、多くの人の家計を直撃している。食料品から日用品、光熱費に至るまで、あらゆるものの価格が上昇している。しかし、給料はそれに比例して上がるわけではない。
特に地方に住む私にとって、車は生活必需品だ。公共交通機関が充実していない地域では、移動手段として車は欠かせない。そのガソリン代が高騰し、さらに政府は補助金を削減するという。都会に住む政治家には理解できない地方の現実がある。
こうした状況下で、同じ給料のままでは実質的な生活水準は下がる一方だ。それを補うためにも、副収入の道を探る必要があった。
インフレヘッジとしての副業
経済学的に見れば、副業はインフレへの対策にもなる。給料が上がらなくても、別の収入源があれば、物価上昇の影響を緩和できる。
さらに、複数の収入源を持つことで、経済状況の変化に対する耐性も高まる。一つの業界が不況でも、別の業界が好調なら、トータルでの収入の安定性は増す。
このように、副業は単なる「お小遣い稼ぎ」ではなく、経済不安への具体的な対策となる。それは現代社会を生きる上での知恵とも言えるだろう。
将来の経済見通しへの不安
日本経済の先行きは必ずしも明るくない。少子高齢化による労働人口の減少、国の財政赤字、年金制度の持続可能性への疑問など、様々な課題が山積している。
そんな中で、「会社と年金だけに頼る」という従来の生き方には不安を感じざるを得ない。自分の経済的未来は、自分自身で切り開いていく必要がある。
副業を通じて経済的自立の基盤を整えることは、不確かな未来への備えとなる。それは次世代の働き方、生き方の先駆けでもあるのだ。
7. 新しい可能性の探求
インターネットがもたらした機会
インターネットの普及によって、個人が世界に向けて情報発信し、価値を提供できる時代になった。かつては大きな資本や組織がなければ実現できなかったことが、今では個人レベルで可能になっている。
クラウドソーシングサイトを通じて、専門スキルを持つ個人が世界中の仕事を受注できる。SNSを活用すれば、趣味や特技を収益化するチャンスがある。YouTube、ブログ、楽天ROOMなど、様々なプラットフォームが個人の表現と収益化を支援している。
この新しい可能性の波に乗らない手はない。それが私が副業に挑戦しようと思った理由の一つだ。
低リスクでの挑戦
副業の魅力は、比較的低いリスクで新しいことに挑戦できる点にある。
起業となれば、多額の資金が必要で、失敗したときのリスクも大きい。しかし副業なら、本業の収入を維持しながら、少しずつ新しい分野に挑戦できる。
「スマホ1つ、パソコン1つでできるんだ。やらない理由はない」
そう自分に言い聞かせて、一歩を踏み出すことにした。初期投資も最小限で済み、空き時間を活用して始められる。これほど挑戦しやすい環境はない。
未知の領域への一歩
副業を始めることは、未知の領域に足を踏み入れることでもある。これまで接点のなかった業界や分野と関わることで、視野が広がり、新たな発見がある。
それは単なる経済活動を超えた、知的冒険とも言える。自分の殻を破り、新しい世界を探索する楽しさがある。その過程で得られる気づきや成長は、金銭的な報酬以上の価値を持つかもしれない。
8. 行動の大切さを再確認
「やる前からできない」は禁物
副業を始めようと思ったとき、様々な不安や懸念が浮かんだ。「時間がない」「スキルが足りない」「成功する保証がない」など、理由をつければいくらでも見つかる。
しかし、自衛官時代に学んだことがある。「やる前からできないと言うな」という教えだ。結果はやってみなければわからない。行動しなければ何も始まらない。
多くの人が副業に興味を持ちながらも一歩を踏み出せないのは、この「行動の壁」があるからだ。しかし、その壁を乗り越えた先に、新たな可能性が広がっている。
小さな一歩の積み重ね
副業での成功は、一夜にして達成されるものではない。小さな一歩の積み重ねが、やがて大きな成果につながる。
最初は拙いブログ記事かもしれない。再生数の少ないYouTube動画かもしれない。しかし、継続することで少しずつ改善し、成長していく。その過程自体に価値がある。
「千里の道も一歩から」という言葉がある通り、まずは小さな一歩を踏み出すことが重要だ。大きな夢を持ちつつも、日々の小さな行動に焦点を当てる。それが副業成功への近道だと信じている。
実践から学ぶ姿勢
副業における学びは、実践を通じて得られるものが多い。本を読んだり講座を受けたりするだけでは得られない気づきが、実際に取り組むことで見えてくる。
失敗しても構わない。むしろ失敗から学ぶことで成長が加速する。「失敗は成功の母」という言葉通り、様々な試行錯誤を重ねることが、最終的な成功への近道となる。
この「実践から学ぶ」姿勢こそ、副業に限らず人生全般において大切なものだ。副業を始めようと決意したことで、改めてその価値を再確認することができた。
9. 自分らしい生き方の模索
社会の常識にとらわれない
「就職して定年まで働き、年金をもらって余生を過ごす」
かつてはそれが当たり前の人生設計だった。しかし現代では、そのモデルが必ずしも安全とは言えなくなっている。年金制度の将来性への不安、雇用の流動化、人生100年時代の到来など、様々な要因が働き方や生き方の再考を促している。
副業を始めようと思ったのは、そうした「社会の常識」にとらわれず、自分らしい生き方を模索したいという思いもあった。会社員としての顔だけでなく、別の顔も持ちたい。そして、自分自身の可能性を広げたいと思ったのだ。
多様な生き方の実現
現代社会では、働き方や生き方の選択肢が広がっている。場所や時間に縛られないリモートワーク、複数の職場や仕事を持つパラレルキャリア、趣味と実益を兼ねた活動など、様々な形がある。
副業はそうした多様な生き方への第一歩となる。今は副業でも、将来的には本業になるかもしれない。あるいは、複数の仕事を並行して行う「複業」というスタイルも可能だ。
一つの会社、一つの仕事だけに人生を捧げるのではなく、複数の活動を通じて自己実現を図る。そんな生き方に憧れを抱いたのも、副業を始めようと思った理由の一つだ。
自分の価値を再定義する
会社では特定の役割や職務で評価される。しかし、それが自分の価値のすべてではない。副業を通じて別の側面を発揮することで、自分自身の価値を再定義できる。
例えば、会社では地味な事務職かもしれないが、副業のブログでは魅力的な文章を書く才能を発揮できるかもしれない。あるいは、普段は無口な技術者でも、YouTubeでは人を惹きつけるプレゼン力を持つかもしれない。
このように、異なる場で異なる能力を発揮することで、自分自身の新たな魅力や強みを発見できる。それは自己肯定感を高め、人生をより豊かにしてくれるだろう。
10. おわりに
行動こそがすべて
副業を始めようと思った理由はさまざまあるが、最も大切なのは「行動に移す」ということだ。いくら考えていても、行動しなければ何も変わらない。
「やる前からできないと言うな」 「動かなきゃ、前に進まなきゃ」
自衛官時代に学んだこの教えは、今も私の心の支えとなっている。不安や恐れを感じるのは当然だ。しかし、それに打ち勝ち、一歩を踏み出すことこそが重要なのだ。
成功の定義を見直す
副業で何万、何十万と稼げる人はごく一部かもしれない。しかし、「成功」とは必ずしも大きな収入だけを意味するわけではない。
新しいスキルの習得、人との出会い、自己成長、小さな達成感、そして何より「行動できた自分」への自信。これらすべてが副業を通じて得られる価値ある「成功」だ。
金銭的なリターンだけにフォーカスするのではなく、副業を通じて得られる多様な価値に目を向けたい。それが真の意味での成功につながるのだと信じている。
未来への希望
最後に、副業を始めようと思った最大の理由は「希望」だ。将来への不安を抱えながらも、自ら行動することで未来を切り開いていく希望。
今日の小さな一歩が、明日の大きな飛躍につながるかもしれない。今は副収入を得るための活動でも、いつか自分の天職に発展するかもしれない。
その可能性に賭けてみたい。そして、自分自身の人生を、より主体的に、より豊かに生きていきたい。
副業を始めようと思ったのは、ただのお金稼ぎのためではない。より良い未来を自ら創造するための挑戦でもあるのだ。
「できないじゃない、やるんだ」
この言葉を胸に、これからも一歩一歩、前に進んでいこうと思う。
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